暗号資産ウォレットの仕組みと、それが認証の未来である理由
暗号資産ウォレットのやさしい解説と、同じ原理が「秘密を渡す」代わりに「行為を承認する」新しい認証モデルをかたちづくっている話。
二つの世界があります。お金と、アクセスです。
どちらにも同じ原理が働きます。秘密を送るのではなく、自分の端末で行為を承認するのです。
暗号資産は実際どう動いているか
暗号資産はウォレットの中に入っているわけではありません。
ネットワーク上に記録されています。あるアドレスに、ある残高がある、という形で。
資金を動かすには、「このアドレスの持ち主は私だ」と証明する必要があります。
それは暗号鍵を使って行われます。
ハードウェアウォレットがしていること
決定的な役目を一つ担っています。行為を自分の内部で署名することです。
流れはこうです。
- 資金を送りたいと考えます。
- パソコンが取引を組み立てます。
- 端末が内容を表示します。
- ボタンを押します。
- ウォレットが取引に署名します。
- 取引がネットワークへ送られます。
鍵が端末の外に出ることはありません。外へ渡るのは署名だけです。
実際の端末の例
たとえばOneKeyは、まさにこのモデルどおりに動くハードウェアウォレットです。
OneKey独立した端末で、次のことをします。
- 鍵を内部に保管する。
- 何を承認しようとしているかを表示する。
- 物理的な操作を求める。
理屈は、上で述べたものとまったく同じです。
なぜこれで成り立つのか
ネットワークはあなたが誰かを確かめません。署名が正しいかどうかを確かめます。
署名が正しければ、その操作は受け入れられます。
ではウェブサイトへのアクセスはどうか
いつものやり方はこうです。
- パスワード。
- コード。
- ときにはSMS。
問題は、これらがすべて傍受され、だまし取られ、すり替えられうることです。
同じ考えをアクセスに当てはめる
実際の流れ
- サイトがアクセスを要求します。
- QRコードが表示されます。
- スマートフォンで読み取ります。
- 誰が何のためにアクセスを求めているかが見えます。
- 要求を承認します。
アクセスが与えられます。
内側で起きていること
流れは暗号資産の取引と同じ形をしています。
- 要求がある。
- 端末がある。
- 署名がある。
あなたのスマートフォンが、あなたが承認したという事実に署名します。
核心にある考え
秘密を入力する代わりに、自分の端末で行為を承認する。
なぜこれが状況を変えるのか
盗むものがない
- パスワードがない。
- コードがない。
- 傍受するものがない。
離れた場所からの承認ができない
パソコンが乗っ取られていても、あなたの端末なしに行為を承認することはできません。
何が起きているかが見える
ハードウェアウォレットと同じで、本物の要求が表示され、決めるのはあなたです。
大事な注意
この仕組みは魔法ではありません。
要求を確かめずに闇雲に承認すれば、危険は残ります。
それでもモデルは変わります。利用者の実際の関与が要るぶん、攻撃はぐっと難しくなるからです。
すべてを貫く一つのモデル
こうしてすべてがつながります。
- 暗号資産ウォレットは送金を承認する。
- Toqen.appはアクセスを承認する。
どちらの場合も、端末があり、行為があり、署名があります。
いちばん正確なたとえ
- パスワードは、自分の鍵を誰かに渡すようなもの。
- 端末の署名は、自分で扉を開けるようなもの。
おわりに
世界は、秘密を渡すことから、行為を承認することへ移りつつあります。
暗号資産ウォレットは、お金についてこのモデルをすでに証明しました。いま同じ理屈がアクセスに当てはめられています。
その時点で、スマートフォンはもう単なる小道具ではありません。
「はい、これは間違いなく私です」と告げる端末になるのです。