薬はどうやって血液脳関門をすり抜けるのか

脳はほとんどすべての薬の分子を通しません。そしてそれは正しい判断です。スライダー一本で、いま研究室が試している手を追います。壁がもともと運び方を知っている小胞に、分子を包んでしまうのです。

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ここで本当に買っているもの

関門は有用性ではなく身元で仕分けます。エクソソームによる送達は壁を壊しも穴を開けもしません。壁がすでに手順を持っている相手を差し出し、その手順に運ばせるだけです。得られるのは、跳ね返される分子と、乗せてもらえる分子との差、それだけです。

収録内容

  1. 1 目地を塞いだ壁 — 関門は欠陥ではありません。楽に入れるものは、楽に毒にもなります。
  2. 2 細胞がふだん使っている小胞に薬を包む — 包みは配送箱ではなく、壁がすでに受け入れている身分証です。
  3. 3 ペプチドが、どこで止まるべきかを告げる — 標的化は力を足しません。正しい壁で拾われる確率を足します。
  4. 4 壁のほうが小胞を抱え込み、向こう側へ運ぶ — 入った小胞の多くは途中で分解されます。その区画から逃れることが、いまも一番の難所です。
  5. 5 狙った場所で積荷を手放す — これは臨床試験の段階にある仕組みであって、棚に並ぶ薬ではありません。収率も用量も安全性も未決着です。

インタラクティブな解説

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